調理師 過去問
令和6年度
問22 (栄養学 問6)

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問題

調理師試験 令和6年度 問22(栄養学 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

基礎代謝に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
  • 基礎代謝量(kcal/日)は、生きていくために最低限必要なエネルギー消費量である。
  • 基礎代謝量は、食後に、椅子に座った状態で測定する。
  • 基礎代謝量は、体表面積の大きさと正比例する。
  • 基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は、男女とも1~2歳に最大となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、基礎代謝に関する記述のうち誤っているものを選ぶものです。それぞれの出題文について解説します。


 

選択肢1. 基礎代謝量(kcal/日)は、生きていくために最低限必要なエネルギー消費量である。

基礎代謝は、生命維持のために必要な最低限のエネルギー消費量であり、呼吸や心拍、体温維持などに使われます。

選択肢2. 基礎代謝量は、食後に、椅子に座った状態で測定する。

基礎代謝量は、安静時代謝量(RMR)と異なり、食後ではなく「完全な安静状態」で測定する必要があります。具体的には、絶食状態(12時間以上食事を取っていない)で、リラックスした環境下で仰向けに寝た状態で測定します。


 

選択肢3. 基礎代謝量は、体表面積の大きさと正比例する。

体表面積が大きいほど基礎代謝量は高くなります。例えば、身長が高い人や筋肉量の多い人は基礎代謝量が高くなります。

選択肢4. 基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は、男女とも1~2歳に最大となる。

基礎代謝基準値(体重1kgあたりの基礎代謝量)は、成長期の子供の方が高く、特に1~2歳が最大です。

まとめ

基礎代謝基準は性別、年齢によって変化します。それぞれおいて理解しておくことが重要です。


 

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02

“誤っているもの”を選ぶ問題なので、「 基礎代謝量は、食後に、椅子に座った状態で測定する。 」を選ぶのが正解となります。

 

「基礎代謝量」とは生きていくために最低限必要なエネルギー消費量のことで「早朝空腹時に快適な室内において、安静仰臥位・覚醒状態で測定」と定義されています。(参照:厚生労働省)

 

基礎代謝量については、今回と同じように“誤っているもの”を選ぶ問題が出やすくなっています。では、各選択肢についてもみてみましょう。

選択肢1. 基礎代謝量(kcal/日)は、生きていくために最低限必要なエネルギー消費量である。

そのとおり、基礎代謝量(kcal/日)は「生きていくために最低限必要なエネルギー消費量」です。

選択肢2. 基礎代謝量は、食後に、椅子に座った状態で測定する。

基礎代謝量は「食後に、椅子に座った状態」では測定しません。誤った記述を選ぶ問題なので、この選択肢を選ぶのが正解となります。

 

正しい方法は、早朝の空腹時、室内など快適な環境で、仰向けに寝て安静にした状態で測定することになっています。

選択肢3. 基礎代謝量は、体表面積の大きさと正比例する。

そのとおり、基礎代謝量は、体表面積の大きさと正比例します。そのため、一人一人の基礎代謝量も異なります。

選択肢4. 基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は、男女とも1~2歳に最大となる。

そのとおり、基礎代謝基準値は、男女とも1~2歳に最大となります。

 

基礎代謝基準値は1~2歳をピークに、その後は徐々に減少していきます。1~2歳が最大になるのは、体の成長に多くのエネルギーを使うためです。乳児期は体の成長がめざましいので、特に多くのエネルギーが必要となります。

 

基礎代謝量(kcal/日)ではなく、1kgあたりの基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)なので、その違いにも注意しましょう。

まとめ

基礎代謝量に関しては、今回と同じパターンの問題が繰り返し出題されています。過去問題をしっかり解いておけば安心でしょう。

参考になった数39

03

『基礎代謝量は、食後に、椅子に座った状態で測定する。』が誤りです。
基礎代謝量は、空腹(前夜からの絶食)・安静(仰臥位)・覚醒・室温が快適な状態など、条件をそろえて測定します。

食後や椅子に座った姿勢では、消化や筋緊張の影響で消費エネルギーが増え、正しい値になりません。

選択肢1. 基礎代謝量(kcal/日)は、生きていくために最低限必要なエネルギー消費量である。

これは誤りではありません。

呼吸・心拍・体温維持など、生命を保つために安静時に必要なエネルギーを指します。

選択肢2. 基礎代謝量は、食後に、椅子に座った状態で測定する。

これが誤りです。

基礎代謝量は、前夜からの絶食(後述の食事誘発性熱産生の影響を避ける)・完全安静・仰臥位・精神的に落ち着いた状態・室温中立といった条件で測定します。

食後椅子座位では消化活動や姿勢維持の筋活動で消費が上がり、基礎代謝の条件から外れます。

選択肢3. 基礎代謝量は、体表面積の大きさと正比例する。

これは誤りではありません。

個人差はありますが、体が大きく体表面積が大きいほど、臓器の総量や放熱量が増え、基礎代謝量も大きくなる傾向があります。

歴史的にも体表面積あたりで基礎代謝を標準化して扱う方法が用いられてきました。

選択肢4. 基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は、男女とも1~2歳に最大となる。

これは誤りではありません。

乳幼児は成長が非常に盛んで、体重1kgあたりの基礎代謝が最も高く、1~2歳でピークになります。

その後、年齢とともに低下していきます。

まとめ

基礎代謝量は、正しい測定条件(空腹・仰臥位・完全安静・覚醒・室温中立)を守ることが大切です。
体表面積が大きい人ほど基礎代謝量は大きくなりやすい一方、個人の筋肉量(除脂肪量)や臓器の代謝でも左右されます。
年齢別では、体重あたりの基礎代謝は1~2歳が最大で、その後は少しずつ下がります。

今回の問題は、測定条件の誤りを見抜けるかがポイントでした。

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