調理師 過去問
令和6年度
問1 (公衆衛生学 問1)

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問題

調理師試験 令和6年度 問1(公衆衛生学 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

公衆衛生活動に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 国や地方公共団体と民間団体の組織的な取り組みによって推進されている。
  • 活動を支え、推進している国の行政機関の主体は、文部科学省である。
  • 2000年以降、がん(悪性新生物)や心疾患による死亡を著しく減少させた。
  • 第二次世界大戦前後に蔓延した感染症の発症予防には、効果が認められなかった。

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この過去問の解説 (3件)

01

公衆衛生とはすべての住民を対象に健康保持や疫病予防等を目的とした地域社会の組織的な活動の衛生活動の事です。

日本国憲法第25条、第2項にも記載があります。

選択肢1. 国や地方公共団体と民間団体の組織的な取り組みによって推進されている。

公衆衛生活動は、国(厚生労働省など)や地方自治体(保健所など)、民間団体(医療機関、NPO、企業など)が連携して実施するものです。

選択肢2. 活動を支え、推進している国の行政機関の主体は、文部科学省である。

公衆衛生活動の主な担当機関は厚生労働省です。文部科学省は学校保健行政に分類され教育に関する政策を担当しますが、公衆衛生の主な推進機関ではないです。

選択肢3. 2000年以降、がん(悪性新生物)や心疾患による死亡を著しく減少させた。

がんや心疾患の死亡率は高く、2000年以降も減少していません。現在は、高齢化の進展により増加傾向にあります。

選択肢4. 第二次世界大戦前後に蔓延した感染症の発症予防には、効果が認められなかった。

第二次世界大戦前後には結核や天然痘などの感染症が大きな問題でしたが、ワクチンの普及や衛生対策の強化により、発症予防に効果が認められました。 例をあげると、天然痘はWHOのワクチンプログラムによって根絶されてます。

まとめ

公衆衛生の要点をまとめると、公衆衛生の定義と活動、行政と活動、保健所との関連、国際機関の関連の4つのポイントを把握しておくことが大切です。

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02

正解は 「国や地方公共団体と民間団体の組織的な取り組みによって推進されている。」 です。

 

これは「公衆衛生活動」の重要なポイントなので、確実に覚えておきたいです。関連する日本国憲法第25条も調理師試験では出題されることがあるので、目を通しておきましょう。

 

では、各選択肢について説明していきます。

選択肢1. 国や地方公共団体と民間団体の組織的な取り組みによって推進されている。

そのとおり、公衆衛生活動は、国や地方公共団体と民間団体の組織的な取り組みによって推進されています。

 

関連しているのが憲法第25条第2項で、そこには

「 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

と記載されています。

 

そして、国はこの憲法をもとに、行政として公衆衛生活動を推進しています。

 

国は地方公共団体(都道府県、市町村などの地方自治体、公共団体)、民間団体と組織を構成し、連携しながら国民の健全な生活の維持につとめている、ということです。

選択肢2. 活動を支え、推進している国の行政機関の主体は、文部科学省である。

誤りです。 「文部科学省」が正しくありません。

 

厚生労働省が公衆衛生活動を支え推進しています。これも必ず覚えておきたいポイントです。

選択肢3. 2000年以降、がん(悪性新生物)や心疾患による死亡を著しく減少させた。

誤りです。 がん(悪性新生物)も心疾患も減少していません。

 

特にがんの死亡数は年々増加しています。

 

ちなみに、2023年の時点では日本の死因

 

1位 がん(悪性新生物)

2位 心疾患

3位 老衰

 

となっています。

選択肢4. 第二次世界大戦前後に蔓延した感染症の発症予防には、効果が認められなかった。

誤りです。 対策によって大きな効果が認められました。

 

第二次世界大戦前後(1945年ごろ)は感染症の蔓延が社会問題になっており、その対策として昭和23年(1948年)に予防接種法が制定されました。

 

そして、ワクチンの定期接種の義務付が普及したおかげで、昭和40年代には感染症の発症が著しく減少しました。

まとめ

公衆衛生の概念、定義は重要なので、参考書や過去問題に目を通して知識がぶれないようにしておきたいです。

 

なお、この問題は、ほかの3つの選択肢が正しくないことが分かりやすいので、迷った場合は消去法でも解けるかと思います。

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03

正しい選択肢は『国や地方公共団体と民間団体の組織的な取り組みによって推進されている。』です。
公衆衛生活動は、国・自治体(行政)だけでなく、医療機関、企業、NPO、地域住民組織など公私が連携して進めるのが基本です。

法律や計画で方向性を示し、現場では多様な主体が役割分担して実行します。

選択肢1. 国や地方公共団体と民間団体の組織的な取り組みによって推進されている。

この選択肢が正解です。

公衆衛生活動は、国・自治体(行政)だけでなく、医療機関、企業、NPO、地域住民組織など公私が連携して進めるのが基本です。

法律や計画で方向性を示し、現場では多様な主体が役割分担して実行します。

選択肢2. 活動を支え、推進している国の行政機関の主体は、文部科学省である。

この選択肢は不正解です。

公衆衛生活動の中心は厚生労働省です。文部科学省は学校保健など教育分野を所管しますが、国全体の公衆衛生の中心機関ではありません。

選択肢3. 2000年以降、がん(悪性新生物)や心疾患による死亡を著しく減少させた。

この選択肢は不正解です。

がんは日本の主要死因の一つで、総死亡数が急に大きく下がったわけではありません。

年齢調整死亡率は下がる傾向がありますが、「著しく減少」と言い切るのは行き過ぎです。

選択肢4. 第二次世界大戦前後に蔓延した感染症の発症予防には、効果が認められなかった。

この選択肢は不正解です。

戦前・戦後に流行した結核や天然痘などに対して、予防接種、上下水道の整備、栄養改善、保健所による対策などが行われ、発症や死亡の減少に大きく効果がありました。

まとめ

公衆衛生活動は、厚生労働省を中心とした行政と、医療機関・学校・企業・NPO・地域住民組織的に連携する仕組みで進みます。

主要死因対策や感染症対策は一つの機関だけでは達成できないため、多機関連携が要です。

今回は、その連携の考え方を示した最初の選択肢が適切でした。

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