調理師 過去問
令和6年度
問5 (公衆衛生学 問5)

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問題

調理師試験 令和6年度 問5(公衆衛生学 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

鉱山の精錬所からの廃水に含まれていた汚染物質により、富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病の原因物質として、正しいものを一つ選びなさい。
  • カドミウム
  • 有機(メチル)水銀
  • 二酸化硫黄
  • ダイオキシン類

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この過去問の解説 (3件)

01

環境汚染において起きた病気の原因物質との関係を理解しておくが大事です。

選択肢1. カドミウム

イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した公害病で、原因は鉱山の精錬所から流出したカドミウムによる水質汚染です。カドミウムを摂取すると腎障害や骨の脆弱化が引き起こされ、激しい痛みを伴うため「イタイイタイ病」と呼ばれています。

選択肢2. 有機(メチル)水銀

有機水銀(メチル水銀)は、熊本県水俣市で発生した「水俣病」の原因物質です。イタイイタイ病とは別の公害病です。

選択肢3. 二酸化硫黄

二酸化硫黄(SO₂)は大気汚染の原因物質で、四日市ぜんそくの主な原因とされており、イタイイタイ病とは無関係です。

選択肢4. ダイオキシン類

ダイオキシン類は、焼却施設などから発生し、発がん性や内分泌かく乱作用が問題となる物質です。イタイイタイ病の原因ではないです。

まとめ

環境汚染による、4大公害病を理解することで解答することができます。病気の原因と病名を暗記することが大事です。

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02

正解は「カドミウム」です。

 

「イタイイタイ病」は、学生の時に社会や公民の授業でも習ったことのある「四大公害病」の一つです。

 

インパクトのある病名なので病名は忘れにくいと思いますが、その原因物質がカドミウムであることもしっかり覚えておきたいです。

 

それでは、各選択肢についてみてみましょう。

選択肢1. カドミウム

そのとおり、イタイイタイ病の原因物質は「カドミウム」です。

 

名前のとおり患者さんが「痛い、痛い」と泣くことからこの病名が付けられました。

 

富山県の神通川流域で、有害物質「カドミウム」に汚染された川の水や農産物を体内に取り込んだことが原因で発生しました。

 

水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくと共に「四大公害病」といわれています。

選択肢2. 有機(メチル)水銀

誤りです。 有機(メチル)水銀は、イタイイタイ病ではなく「水俣病」「新潟水俣病」の原因物質です。

 

水俣病は、昭和30年代に熊本県の水俣湾沿岸で発生した公害病です。

 

有害物質の有機(メチル)水銀を含む工場排水が海に流れ込み、汚染された魚介類などを介して体内に取り込んだことが原因です。水俣湾で発生したことから「水俣病」と呼ばれるようになりました。

 

そして、昭和40年代、新潟県の阿賀野川流域でも、有機(メチル)水銀による健康被害が発生しました。

 

熊本県の水俣と状況が同じだったことから「第二水俣病」あるいは「新潟水俣病」と呼ばれるようになったのです。

選択肢3. 二酸化硫黄

誤りです。 二酸化硫黄はイタイイタイ病ではなく「四日市ぜんそく」の原因物質です。

 

四日市ぜんそくは昭和30年代に三重県の四日市(よっかいち)市で発生した公害病です。

 

大気が工場の排気に汚染され、排気ガスに含まれる二酸化硫黄によって多くの住民がぜんそくに苦しむことになりました。四日市市で発生したので四日市ぜんそくと呼ばれるようになりました。 

選択肢4. ダイオキシン類

誤りです。 ダイオキシン類はイタイイタイ病の原因物質ではありません。

 

ダイオキシン類は、廃棄物などを焼却した時に生じる有害な化学物質です。

 

すぐに重大な健康被害を引き起こすわけではなく、特定の公害病の原因物質と指摘されていません。

 

ただ、体内に大量のダイオキシン類を取り込んだ場合には健康被害を起こすことが示唆され、ダイオキシン類を減らす取り組みが行われています。

 

まとめ

四大公害病のイタイイタイ病、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくは、今回の問題のように、原因物質との正しい組み合わせを聞かれることが多いです。過去問を解くなどして、しっかりとおらさいしておきましょう。

 

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03

正解は『カドミウム』です。

富山県の神通川流域では、鉱山や精錬所から出た廃水にカドミウムが含まれて川に流れ込み、長い年月で米や飲み水などを通じて人に入ったことが原因です。

体にたまったカドミウムは腎臓のはたらきを弱らせ、骨がもろくなることで強い骨の痛みが起きました。

これが「イタイイタイ病」です。

選択肢1. カドミウム

この選択肢が正解です。

神通川流域の事例ではカドミウムが原因物質でした。

腎臓(近位尿細管)の障害が起こり、リンやカルシウムのバランスがくずれて骨軟化骨折を起こしやすくなります。

骨が痛むことが大きな特徴です。

選択肢2. 有機(メチル)水銀

この選択肢は不正解です。

これは水俣病(熊本県の水俣湾、また新潟県の阿賀野川流域)で問題となった物質です。

主に神経の障害(しびれ、視野がせまくなる、運動失調など)が中心で、イタイイタイ病とは別の公害病です。

選択肢3. 二酸化硫黄

この選択肢は不正解です。

これは四日市ぜんそくで問題になった大気汚染物質です。

工場からの排ガスに含まれる二酸化硫黄(SO₂)で気管支ぜんそくや呼吸器症状が起きました。

水質汚濁によるイタイイタイ病とは原因も症状も違います。

選択肢4. ダイオキシン類

この選択肢は不正解です。

ゴミ焼却などで発生しうる有害物質ですが、イタイイタイ病の原因ではありません

ダイオキシン類は長期的な健康影響が心配されますが、この公害病の直接原因とは結びつきません。

まとめ

イタイイタイ病は、カドミウムによる水質汚濁が原因で、腎臓障害→骨がもろくなる→激しい骨の痛みという流れが代表的です。

よく出るセットで覚えましょう。


・イタイイタイ病=カドミウム(水質)
・水俣病=メチル水銀(神経)
・四日市ぜんそく=二酸化硫黄(大気)
・ダイオキシン類=イタイイタイ病の原因ではない

 

このように、病名・原因物質・主な症状・環境媒介(空気か水か)を組み合わせて覚えると、選択肢が入れ替わっても落ち着いて判断できます。

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