調理師 過去問
令和6年度
問53 (調理理論 問13)
問題文
産卵直後からの鶏卵の鮮度変化(低下)に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
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問題
調理師試験 令和6年度 問53(調理理論 問13) (訂正依頼・報告はこちら)
産卵直後からの鶏卵の鮮度変化(低下)に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 比重が大きくなり、重量が増加する。
- 全卵白に対して濃厚卵白が減少し、水様卵白が増加する。
- 卵黄膜はかたく強くなる。
- 卵白のpHが低下する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、「全卵白に対して濃厚卵白が減少し、水様卵白が増加する。」です。
各選択肢については、以下のとおりです。
誤りです。
比重・重量ともに低下します。
正解です。
誤りです。
卵黄膜は弱くなります。
誤りです。
卵白のpHは上昇します。
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02
正解は 「全卵白に対して濃厚卵白が減少し、水様卵白が増加する。」 です。
出やすい問題です。卵白には「濃厚卵白」と「水様卵白」があること、産卵してから時間が経過すると濃厚卵白が水様化する、ということを覚えておきたいです。
残りの3つの選択肢は、いずれも逆のことが書いてあるので正しくありません。
では、選択肢をみていきましょう。
誤りです。 記述の逆で、鶏卵の鮮度が変化(低下)すると、比重が小さくなり、重量が減少します。
鶏卵の殻には小さな穴が開いています。時間の経過とともに卵に含まれる水分が蒸発して出ていくため、卵の重量は減ります。
すると、卵の殻の内側にある空間「気室」が大きくなり、気体の占める割合が増えるため、卵の比重は小さくなります。
そのとおり、鶏卵の鮮度が変化(低下)すると、全卵白に対して濃厚卵白が減少し、水様卵白が増加します。
濃厚卵白は卵黄の周りにある卵白で、鮮度の良い時は粘度が高いです。しかし、鮮度が低下するにつれ水様化し、さらっとした水様卵白に変化していきます。
そのため、鮮度が変化した鶏卵は、濃厚卵白が減少して、その分水様卵白が増加しているので、割卵した時に卵白が水っぽくなります。
誤りです。記述の逆で、鶏卵の鮮度が変化(低下)すると、卵黄膜は弱くなります。
鮮度の良い鶏卵は、卵黄を覆う卵黄膜が硬くて強いです。そのため、卵黄には張りがあり、割卵した時は卵黄の高さが高く、こんもりと盛り上がっています。
一方、鮮度が低下した鶏卵は、卵黄膜が弱くなって張りがなくなります。そのため、割卵した時には卵黄膜が卵黄をしっかり支えることができないので、卵黄の高さは低く、横に広がりやすくなります。
誤りです。 記述の逆で、鶏卵の鮮度が変化(低下)すると、卵白のpHは上昇します。(アルカリ性に傾きます。)
新鮮な鶏卵は、卵白に二酸化炭素が多く含まれています。しかし、時間の経過とともに卵白から二酸化炭素が出ていき、二酸化炭素が減ることでアルカリ性に傾きます。つまり、pH(ペーハー)は上昇します。
調理師問題は卵に関する問題がよく出ます。
特に調理理論の分野で問題が出やすいので、過去問題を繰り返し解くなどして、しっかりおさえておくことをおすすめします。
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03
『全卵白に対して濃厚卵白が減少し、水様卵白が増加する。』この選択肢が正解です。
全卵白に対して濃厚卵白が減少し、水様卵白が増加します。産卵後は二酸化炭素や水分が抜けて、卵白の粘りが弱くなるためです。
この選択肢は不正解です。
時間がたつと二酸化炭素や水分が外に出ていきます。
重量はわずかに減り、比重も下がるので、気室(とがっていない方の空気の部屋)が大きくなります。
水に入れると立ちやすくなるのはこのためです。
この選択肢が正解です。
鮮度が落ちると卵白の粘りを保つ成分が変化し、ドロッとした濃厚卵白は少なく、サラサラの水様卵白が多くなります。
割ったときに卵白が広がりやすくなるのが目安です。
この選択肢は不正解です。
時間がたつと卵黄膜は弱くなり、黄身が平たく広がりやすくなります。
黄身が崩れやすいのも鮮度低下のサインです。
この選択肢は不正解です。
二酸化炭素が抜けると卵白のpHは上がり、アルカリ性が強くなります。
低下ではありません。
鶏卵の鮮度が下がると、重量・比重の低下、濃厚卵白の減少、卵黄膜の弱化、卵白pHの上昇が起こります。
保存するなら低温で一定に保つと鮮度の変化をゆるやかにできます。
割ったときに卵白や黄身の形が崩れにくいほど、鮮度は良いと考えられます。
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